この記事は以下のような方におすすめです
- 給特法について知りたい方
- 教師の働き方・労働環境に興味がある方
- 定時退勤がしたい方
こんにちは 元小学校教師のペリカンです
ここ数年、「給特法」や「定額働かせ放題」といった言葉をよく耳にしませんか
実はこの法律、約50年前の教師の働き方を元に決められたものだったのです
ざっくり説明すると、
残業代の支払いは無し
一律、月の給料の4%を給料に上乗せ(教職調整額)
校長命令による時間外勤務以外は、残業にならない (超勤4項目)
今回は、教師の働き方を定めている「給特法」について解説します
給特法とは
給特法とは、「公立の義務教育諸学校等の教職員の給与等に関する特別措置法」です
長時間労働をしても、時間外勤務手当は無し!
校長から命令されたこと以外は、残業とは認めない!
公立学校に勤める教職員の給与や労働条件について定めた法律のことを言います
給特法が成立した経緯
第二次世界大戦後になると、労働基準法が決まり、労働時間や残業について定められました
公立の教職員も労働基準法が適用されていましたが、勤務時間の測定が難しく残業手当の未払いや超過勤務が問題視されました
S41年 文部省による教員勤務状況調査を行った結果、
平均して月8時間の時間外勤務をしていたことがわかりました
調査結果をもとに、教職員の職務と勤務態様の特殊性に対応するため、
時間外手当の支給ではなく、超過勤務に相当する月の給料の4%を教職調整額として上乗せすることにしました
S46年 当時は、「国立及び公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」でした
現在は、H16年から「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」に改められています
給特法の内容
教職員は時間外勤務手当が支給されない代わりに、必ず月の給料の4%が教職調整額として上乗せされています
つまり、きっちり8時間勤務の人も、長時間勤務の人も、持ち帰り仕事が多い人もそうでない人もみんな一律同じ評価です
臨時又は緊急のやむを得ない必要があるときに限って、以下の4項目のみ校長が時間外勤務を命令することができます
- 校外実習その他生徒の実習に関する業務
- 修学旅行その他学校の行事に関する業務
- 職員会議に関する業務
- 非常災害の場合、児童又は生徒の指導に関し緊急の措置を必要とする場合その他やむを得ない場合に必要な業務
これらは、健康と福祉に留意し、勤務の実情に十分な配慮をすることが記されています
しかし、校長の命令以外の時間外勤務は全て「自発的な行為」とみなされてしまいます
給特法の今後
H29 学校の働き方改革の答申では、給特法のあり方について見直す方針を出しました
これを受けて、R1 給特法の改正法が成立しました
- 一年単位の変形労働時間制の適用 R3施行
- 今まで認められなかった1年単位での取得が可能になる
- 業務量の適切な管理等に関する指針の策定 R2施行
- ガイドラインだったものを指針に格上げ
- 超勤4項目以外の時間外業務も在校等時間に含める
詳しくはこちら↓
https://www.mext.go.jp/content/20200124-mxt_soseisk01-000004464_1.pdf
また、R5.5.10 自民党の「令和の教育人材確保に関する特命委員会」の会合で「令和の教育人材確保実現プラン」が取りまとめられると、
現行では教職調整額が4%のところ10%以上に増額すると発表しています
そして、教職員の残業時間を月20時間以内にする目標を掲げています
まとめ
給特法についてまとめると、
残業代の支払いは無し
一律、月の給料の4%を給料に上乗せ(教職調整額)
校長命令による時間外勤務以外は、残業にならない (超勤4項目)
今後、給特法の改定が広まって教職員の勤務時間に対する意識が変わり、定時で帰ることが普通になる職員室へと変わっていくといいですね